苺横長壁紙でございます。 まったくもってホラー度無しです。 こういうのも織り交ぜて、非ホラー系まで浸透を図ったずるい戦略です。 ‥いえ、なんとなく作ったらこうなっただけで戦略じゃないです。 モンゴル探検隊の話の続きです。 ‥間違えました。 バイク泥棒の話です。 来るかもしれないと思いつつ駐車場チェックをするのが日課となった、ある夏の日の夜。 いました。 3人組です。 趣味の悪い色のトレーナーに、趣味の悪いだぼだぼのズボン。 趣味の悪い髪形に趣味の悪い顔をつけて趣味の悪い表情をしています。 私は階段のところ。 目が合いました。 ちょうど私のバイクのカバーを剥がそうと手をかけているところでした。 つまり早過ぎたわけです。 証拠がありません。 彼らの手は止まりました。 私も止まりました。 空間が止まりました。 時が止まりました。 頭の中だけがグルグル回転しています。 「ヤる」「通報する」「ヤる」「通報する」「ヤる」「通報する」 「ヤる」通報する」「ヤる」「通報する」「ヤる」「通報する」「ヤる」「通報する」 「通報する。証拠ない。逃げられる」 「通報却下」「却下」「却下」 「ヤる」「ヤる」「ヤる」「ヤる」‥ 「戦力分析」 「当軍 武器なし。1人」 「敵 武器あり(最低でもドライバー) 3人」 「分析結果」 「勝算ほとんどなし」 「別手段模索」 「そのまますごすご引き上げる」 「却下」 最終決定策 顔を覚える。いつか必ず復讐する。絶対する。 というわけで、ひたすら3人の顔を覚えることに集中しました。 もし向こうから来たら、それはそのとき。 とにかく覚える。 で、その3人は、しばらくすると結局バツが悪そうに引き上げていきました。 それ以来、当分の間、私のバイクは無事でした。 結局、彼らに再会することは無かったです。 ですが数年後、3台目の原付。見事にやられました。 まあ古くて安物ですが、でも悔しい。 その3人の顔、今ではほとんど思い出せません‥。 顔に集中したのにトレーナーは覚えていたりして。 人の記憶は不思議なものです。 かくのごとき理由で私はセコムの新サービスに心打ち震えたのです。 あの時代にあったら‥。 長くなりましたが、おわり。 (2001/3/17) |